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flame in out

installation
2023

■インスタレーション ・額縁、フロアスタンド、モーター、テグス 2m×2m×2.5m

■作品にとって額縁(フレーム)とはどの様な存在であるか。
反対に、額縁にとって作品はどのような関係にあるか。

これまで、写真を通して制作行為を続けてきたが、次第に写真メディアにおける「境界線」に違和感持ち始めた。これは平面作品固有の制約であり、一種のルールとも捉えられるが、この窮屈さや閉塞に立ち向かうために、これまでに写真の側面にプリントを施し、平面作品を立体に変換することを試みた。同時に、平面作品において額装という概念が作品を囲い込み、鑑賞者にとって視覚的制約をしているのではないかと考え始めた。やがて、私はこの空虚な額縁の存在について思考するようになった。

本来、額装を行う行為には作品の美しさを長期間保持する役割を持つ。前向きな捉え方をすると、良い額縁は作品の寿命を延ばすとも言える。そして、「保護」という観点においては、エコ・テロリズムの存在は無視できない。2022年頃から、欧州では環境保護団体による美術作品への破壊活動が多く見られるようになった。その具体的な事例としては、ロンドンのナショナル・ギャラリーにてゴッホの《ひまわり》にトマトスープがかけられる事件が起き、それをきっかけに環境活動家による破壊行為が続いた。この時も絵画は額縁によって保護されていたため、損傷は避けられたとされている。

以下『額縁の形状と大きさが絵画の印象に及ぼす影響』/栗川 直子より
額縁には、絵画をそれが設置された壁面と区別する役割もある。

額縁はその厚みによって壁面平面と絵画を切り離し、絵画が表現する世界をその中に閉じ込める。現実世界に立つ鑑賞者は、額縁を窓口として、絵画が表現する虚構の世界に入り込むことができるという。

本作品では、保護すべき対象や表現される世界を内包する絵画やイメージは存在しない。装飾するための額縁ではなく、額縁をオブジェクトとして捉えながら額縁の枠組みを再定義する。

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